ロンドンでの共同研究を終え、学会発表のためにイタリア、バーリへ向かった際、乗り継ぎ便まで少し時間があったので、時間も夜でしたから夕食を兼ねガトウィック空港で、Stella のタップを指さしながら
「This one, please.」
ってビールを頼んだのですが、30届くか届かないか位に私には見えた、いなせな雰囲気の店員さんは、私からパスポートを受け取るや否や、ページをすごい勢いでぺらぺらとめくりつつ
「Where's a pizza?」
って私の耳には聞こえたけど、とりあえず意味不明だし、いつものごとく私、ちゃんと聞き取れてないんだなって、うすうすには感づいてはいたものの、
「Pizza, please!!」
と元気よく言ってしまった。ちょうどピザかフィッシュ&チップスかで迷っていたところだったので。いさぎよく見切り発車。そうしたら店員さん、パスポートのページをめくる速度を神経質とさえいえる様子で加速させながら、しかし物腰は柔らかに、
「No, I need your "pizza."」
ああそうか、なんだ俺のピザが食べたかったのか、ってすとんと腑に落ちてしまった、はずもなく、お友達になりたいの?とか、お腹すいてるの?とか、ピザは何かに対する比喩?などなど、いろいろの不思議な考えが頭を交錯したのですが、突然、店員さん、パスポートをめくるのをすたっとやめて、ほっとしたよ、という体の満面の笑みで、パスポートの私の写真を指さしながら、
「Your picture」
その瞬間、私はなるほどと思いましたね、pizza じゃなくて picture かと。どれだけ行っても進歩しない私の英語、 そして外国における想像力の致命的な欠如、、、
(写真はその時の戦利品、最高でした。)
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