女性から金貨チョコをもらった話

急に思い出した、忘れないうちに。

 

 昨年 (2014年) の8月末、VisitingSFU を再訪していた時のことです。Burnaby Campus からバスでバンクーバーのダウンタウンへ向かっていました。大分記憶が薄れています。でもたぶん、途中、 Kensington あたりで、一人の女性が乗車して、僕の隣に座ります。こっそり彼女に目をやると、明らかにしゃべりたいオーラ全開だったので、修行の一環だと諦めて、あえてイヤホンを外し、レッスンに備えました。すると、やっぱり他愛もないお天気話から始まり、ご家族やご近所のことなんかを話し出しました。

 ちょうど、遊園地(PNE)の前を通った時のこと:(記憶と英語力の不備を想像力で補完しています。)

 

  でも、こんなとこ(PNEを見ながら)、一回で十分よね

  えっ まあたしかに 僕もめっちゃ好きってわけじゃない、一回で十分かも

  大体高すぎるし、待つのももたいへん

  わかります(と調子を合わせてしのごうとする)

  沈黙

  そう、あと 待ってるときとか 暑いですよね(と調子を合わせようと知恵を絞る)

  あら、私暑いのは好きよ

  もちろん、僕もサンシャイン大好き(と数秒前の自分を裏切る)

  やっぱり 高すぎるわよ・・・

  わかります、僕ならハンバーガーでも食いますよ・・・(あくまで適当な、、、)

  でも私の主人も昔は裕福で・・・

 

といったやり取りを必死で続けました。女性が Main Street で降りるまで、このような他愛もない会話はぽつぽつと続きます。

 そうして、彼女がバスを降りるとき、なんとなく印象的なことに二つ出会いました。

 ひとつは、彼女が、僕も同じ駅(Main)で降りると想定していたことです。え、なんで立たないの、みたいなこと言われて、えっいやいや、と。

 

  じゃあ、どこまでいくのよ

  ぼくは ダウンタウンに行きます、Burrard まで

 

どうにも承服しかねるといった様子でした。降車扉の前に立って、ぶつぶつ言いながら自分のカバンに手をつっこんでから、手すり越しに(僕たちは降車用扉の真ん前の席に座っていました)、

 

  じゃあ、これあなたに 話に付き合ってくれてありがとう あなたとても親切 若いのに

 

みたいに言いながら、写真の金貨チョコをくれました。僕は少し舞い上がって、

 

  ありがとう! チョコレート最高!みんなチョコレートだいすき

 

素直だけど、浅薄な対応でした。

 

  あら、チョコレート嫌いな人もいるわ

 

と冷静に返されます。思えばこのパターン、僕らの会話の中に頻出してました。

 

  もちろんおっしゃるとおり、"多くの人々"がチョコレート大好きです

 

と修正しつつ、お礼とさよならを言いました。

 

  ありがとう、楽しかったです

  ありがとう、気を付けて


なんてことない出来事だけど、なんとなく印象に残っていて、いまでも金貨チョコを見かけると、SFUからダウンタウンへ向かう路線バスを思い出します。今年も Visiting で SFU に行けるといいな、という話。

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2024年6月: Political Fragmentation versus a Unified Empire in a Malthusian Economy (with Angus C. Chu and Pietro Peretto) が, Journal of Economic Behavior and Organization に公刊されました. 

2024年4月: Love of Novelty: A Source of Innovation-Based Growth... or Underdevelopment Traps? (with Tat-kei Lai and Kenji Sato) が Macroeconomic Dynamics に公刊されました. 

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2023年1月: Two-Dimensional Constrained Chaos and Industrial Revolution Cycles (with Makoto Yano), Proceedings of the National Academy of Sciences 120 (5), e2117497120 が公刊されました. 

 

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